リスク管理はアナログ、デジタル、どっちがいい?

こんにちは。
外資系の療育機関で子どものサポートをしている、作業療法士のゆこです。

悲しい事故が起こっていますね。

通園バスに3歳の女の子が置き去りになり、熱中症で亡くなったという事故です。
なんでそんなことが起こる?というようなことが、日々起こっているような気がします。

そういえば、学生時代、実習先に通うのにバスを使っていて、朝は終点のバス停で降りていました。
バスは、お客さんを下ろす車庫に入っていく。
ある朝、私は居眠りをしていて、終点に着いたことに気づかず、はっと目覚めたらバスは車庫の中。
「なんで起こしてくれなかったの!」と怒りと恥ずかしさを覚えましたが、あれも置き去りの一種だったのかもしれません。
本来は、バス停で運転手さんは全員客を下ろしたか確認しなければならないはず。
ミラーで確認して、ちょうど死角で眠りこけていた私には気づかなかったのでしょう。

原因は「ヒューマンエラー」

病院勤務時代、安全管理委員会に所属していたので、「ひやりはっと」について少し勉強したことがあります。
事故の理由の「うっかりしていた」とか「気づかなかった」とか「これぐらい大丈夫と思った」とか、それは「ヒューマンエラー」に当たります。

1つの大きな事故の陰には、300個の軽微なミスが起こっているといわれています(ハインリッヒの法則)。

どれだけがんばっても、どれだけ機械やAIなどの力を借りたとしても、ミスは起こる。それが現代です。

ヒューマンエラーの背景には、
①人側の問題
②環境側の問題
③仕組みの問題
があって、この3つが複雑に絡み合っているのではないかなと思います。
(人間関係、など人と人の関係の問題もあるかもです)

たとえば、疲れていれば集中力が低下し、ミスを起こしやすくなる(人の問題)。
オフィスに物があふれていたり、ざわついたりしていて気が散りやすい(環境の問題)。
人員不足によってひとりの人への仕事量が多くなると、疲れやすくもなる(仕組みの問題)。

モチベーションの問題もあるだろうし、能力に応じた仕事を与えいるか、ちゃんと監督しているかなども問題として挙がってくると思います。

今回の事故でも、最後にバスを確認しなかった運転手
登園システムの問題
クラスでの点呼の問題

などの「ずさんさ」が取り上げられています。もちろん責められるべき点です。
でもさらにその「ずさんさ」がなぜ起こってしまっているのか?
そこを詳しく調査して、見ていかないといけないだろうなとも思います。

ヒューマンエラーを防ぐには

やっぱりまずは、現場の声、だと思います。
現状で仕組みや、環境や、人間関係などでやりにくさを感じているところはないか。
ひとりひとりの仕事量はどうか、多大なストレスがかかっていないか。
その調査から始めるべきかなと思います。
日々のなかで「これはあぶなかった」と思うこと=インシデント報告も大切。

その次に、環境。
整理整頓だったり、消えかけてるようなボタンのサインをちゃんとわかるようにしたり。
使いやすいモノに交換するのも一つ。

それから、仕組み。
どういう手順を踏んでやるか、マニュアルの変更だったり、人の流れだったり。

というか、これらのことをオープンに話し合える職場環境っていうのが一番大事かもしれない。

アメリカのスクールバスの仕組み

アメリカはスクールバス大国ですね。おうちの前までバスが迎えに来てくれる、なんて素敵!
で、面白い記事を見つけました。

幼稚園バス3歳児置き去り死、防ぐには? 「スクールバス王国」アメリカ 安全策は意外にアナログ でも確実
(Yahoo!ニュースに飛びます)

ブザーがなるというのはデジタルな仕組み。
でも、歩いてバスの後方まで行かないとブザーは消せないというのはアナログな仕組み。

うまく融合させた方法だなと思います。

ITが進化してきて、いろんなことをAIだったり、カメラだったり、デジタルなものに任せがちな昨今。
でも、人の感覚もあなどれないなと思います。

でも一番はその職場や環境や人にあったものがそこにあるか、ということを大切にすべき。

作業療法士の得意分野

作業を分析し、人を分析し、仕組みを分析し、情報を合わせて対策を考え出す。
これは、相手が病気や障がいを持った方を相手にするときだけでなく、
生活や仕事上のあらゆる面において作業療法士の得意なことではないかなと思います。

以前「情熱大陸」か「カンブリア宮殿」で見たことがあるのですが、コクヨでやっているオフィスサービスに、コンシェルジュやファシリティマネジメントサポートというのがあるのですが、
そんなところでもOTの力は発揮できそう。

いつか、一般企業で働く作業療法士、出てきたらいいな。

以上、読んでくださりありがとうございました!

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