外資系OTがインクルーシブについて考えてみる

こんにちは。発達系作業療法士のゆこです。
作業療法士歴16年目。精神科で8年、その後子ども分野で働き今8年目。
何度か転職を繰り返して、今の職場は5か所目です。

外資系OTって?

外資系で働く作業療法士って、なかなかいないと思います。一般企業とかで働いている方はいらっしゃったりするのでしょうか?

私は今、日本の会社ですが、アメリカ人がオーナーで、主にインターナショナルスクールに通う、海外から来られたお子さんの支援をする施設で働いています。職場の公用語は、基本的に英語。クライアントも、ほぼ海外からの方です。もちろんご両親のどちらかが日本人という方もおられるし、子どもたちも学校で少し日本語は勉強しているので、日本語を使うこともあります。時々純日本人のクライアントもいます。
ただ職場内の言語、文化、雰囲気、求められる作業療法の位置づけは海外仕様だなと感じているので、「外資系」と呼ぶことにしました。

インクルーシブって?

インクルーシブ教育、ということばは最近よく聞く言葉だと思います。

インクルーシブ教育システム(inclusive education system)とは、人間の多様性の尊重等を強化し、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にするという目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みです。そこでは、障害のある者が一般的な教育制度(general education system)から排除されないこと自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」(reasonable accommodation)が提供されること等が必要とされています。
また、報告では、インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である、小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場」を用意しておくことが必要である、とされています。

参考:インクルDB(インクルーシブ教育システム構築支援データベース)

http://inclusive.nise.go.jp/index.php?page_id=40

文部科学省が提唱している、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもを受け入れ、すべての子どもがともに学ぶことの出来るシステムのことですね。

そもそもインクルーシブということばの意味とは何なんでしょうか?

inclusive
1. including all the services or items normally expected or required.
2. not excluding any of the parties or groups involved in something
3. aiming to provide equal access to opportunities and resources for people who might otherwise be excluded or marginalized, such as those having physical or mental disabilities or belonging to other minority groups.
(Oxford Languagesの定義)

包括的な、すべてが含まれた、という意味がある言葉ですね。

障がいがあっても、どんな家庭環境にあっても、みんながいっしょに学ぶことができる教育。
みんないっしょに、仲間外れにしない。
すべての子どもに開かれている教育。

それが「どんなものか」を定義するのはものすごく難しい。

似たような言葉に、ノーマライゼーションとか、インテグレーションとか。
はたまたバリアフリーとか、ユニバーサルデザインとか。

横文字が多すぎて大変。日本語の言葉で浸透しないということは、適切な表現がないということなんでしょうね。

外資系で働いて思う、インクルーシブ

クライアントや、同僚や、外国人の友人の話を聞いていると、ほんとうに様々な教育の形があるのだなと思います。
そんな中で、日本の教育にどうなってほしいか?インクルーシブ教育とは何なのか?ということはよく考えます。

具体的な形は出てこない。
子どもの数だけ支援は必要だし、型にはめたり、マニュアルを作ることはできないということは確信しています。

だから、教育の形にもいろいろあったらいいなと思います。
インクルーシブ教育を重視しているところ、特別支援に特化した教育をしているところ、ときどき交流できるところ。
インクルーシブ教育を安易に進めることは難しいなと思います。逃げ場がなくなる。

・「いっしょに学ばない」ことも選択できる
・「いっしょに学ぶ」ためのサポートを受けられる
・子どもや家族が、たらい回しにされない

というのが、今のところの私の意見です。
でもって何よりも言いたいのが、インクルーシブ教育を目指すなら、サポートする側もインクルーシブになるべきでは?
学校に教師だけを配置するのでなく、いろんな専門家をおいて、子どもの育ちをサポートできたらいいなあと思います。

 

以上、読んでくださりありがとうございました!

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