こんにちは。
外資系の療育機関で子どものサポートをしている、作業療法士のゆこです。
職場では8月末に新学期を迎え、ようやくセッションのスケジュールも安定してきました。
新しいクライアントは少なく、昨年度からの継続利用が中心です。課題やゴールも継続しているため、取り組みの内容が似てくることもあります。とはいえ、子どもたちから「またこれ?」と感じられてモチベーションが下がってしまうのは避けたいので、できるだけ新しいアクティビティを取り入れるようにしています。
今回は、9月に実践してみた新しいアクティビティをご紹介します。
必要物品
・プールスティック(50cm程度でOK)
・カラーボール(100円ショップなどで手に入る軽いもの)
セッティング
・約2メートル歩けるスペースを準備する
内容
プールスティックを縦に持ち、上にボールを乗せた状態でまっすぐ歩く。スティックの穴により、ボールが多少安定しやすい。
目的
・手首の固定と保持
・集中力の向上
・手と目の協応
・固有受容感覚の調整・識別
アレンジポイント
・初めは短く切ったスティックを上の方で持つと安定しやすい。慣れたら1m弱の長さで下を持ち、難易度を上げる。
・歩かずに、その場でスティックを上下させながらボールを保持するのも楽しい。
工夫点・注意点
・プールスティックは曲がっていると使いにくいため、まっすぐに保管する。
・軽すぎるボールは不安定になりやすい。ゴム製がおすすめ。テニスボールは重すぎる。
・子どもの手の大きさに合わせてスティックを調整する。
・顔で押さえたり抱え込んだりと“ズル”をするので、一度は試させてからルールを再確認する。
必要物品
・風船
・カラーボール(10個程度)
・バケツ
・フラフープ
セッティング
フラフープ内にボールをばら撒き、中央にバケツを置く。その前でスタート位置を決める。
内容
風船を落とさないように跳ね上げつつ、床のボールを1個ずつ拾ってバケツに入れていく。風船を持たないことがルール。
目的
・注意の分散
・周辺視野の活用
・力加減の調整
アレンジポイント
・2人で競争形式にしてもよい(ボールを増やすと盛り上がる)。
・ラケットや棒で風船を跳ねさせるアレンジも可能。
・広い空間なら、ボールを散らして移動要素を追加できる。
・バケツやボールの色を変えて難易度調整も◎
・ペナルティ(ボールを戻す、最初からやり直しなど)を設定するとさらに楽しい。
工夫点・注意点
・子どもは風船を手に乗せたまま他の手でボールを操作しようとするため、ルールを明確に伝える必要がある。
・まずは風船のみで練習してから本番へ。
・2人で取り組む場合は衝突に注意する。
必要物品
・ラダー(なければ養生テープで代用可能)
セッティング
床にラダーを設置。テープで四角形を作ってもOK。
内容
スポーツでよく使うラダートレーニング。歩く、走る、ジャンプするなど、ラダーを踏まないようにステップする。
目的
・運動企画
・協調運動の促進
アレンジポイント
・子どもの発達段階に合わせて動きを調整する。両足ジャンプでも難しい場合がある。
・スピード重視になりがちなので、あえてゆっくり取り組む課題も設定。
工夫点・注意点
・サッカー経験がある子どもは動きを覚えていることもあるため、少し変化を加える。
・模倣が難しい場合は言語での説明を併用。
・体力を消耗するので休憩を取り入れる。
必要物品
・透明のプラスチックカップ
・毛糸やひも(30cm程度×2本)
・テープ
・コットンボール(20個程度)
・コップや箱(ゴール用)
セッティング
カップを伏せて、底と飲み口側に紐をつける。紐を引っ張ることでカップを動かせるようにする。机にコットンボールをばら撒き、縁にゴールを設置する。
内容
紐を使ってカップを操作し、コットンボールを移動させてゴールへ入れる。
目的
・運動企画
・左右の手の協応
アレンジポイント
・競争形式で盛り上げられる。
・左右の手を入れ替えて挑戦する。
工夫点・注意点
・あえて例を見せず、口頭指示のみで取り組むと「新しい運動を企画する力」を観察できる。
セッションでは毎回ホワイトボードに簡単なスケジュールを書いて、順番に沿って進めています。その際、アクティビティにどんな名前をつけるかが悩みどころです。英語で伝えることもあり、子どもたちの興味を引く工夫も必要です。
ここぞとばかりにChatGPTに内容を入力して名前の候補を出してもらい、そこから選ぶこともよくあります。
いつもいつも「想像力=Creativity」との戦いですが、楽しみながら工夫していきたいと思います。
以上、読んでくださりありがとうございました!